溶連菌感染症は、溶連菌(溶血連鎖球菌)という細菌による病気です。発熱、咽頭炎・扁桃炎、イチゴ舌、発疹、胃腸炎などが出ることがあります。初期の治療が不十分だと、急性腎炎やリウマチ熱などの病気の原因になります。皮膚に感染すると、トビヒ(伝染性膿痂疹)、丹毒などになります。
視診のみある程度わかります。確認するためにはノドを綿棒でこすり迅速検査を行います。抗生剤のペニシリンを10日間内服するのが標準治療となっています。
抗生剤はペニシリンを10日間内服するのが標準治療となっています。治療が十分効いたか確認するために、後日尿検査や迅速検査・培養検査などを行います。この後日の確認検査はやらない施設も徐々に増えているようです。
アデノウイルスによる病気です。目にのみ感染すると、はやり目(流行性角結膜炎)になります。全身に感染すると発熱・扁桃炎が初期症状になりますが、胃腸を主な感染場所となるため胃腸炎を起こしてきます。便からは1か月ほどウイルスが排泄されるため、症状が良くなってもトイレやお風呂などは感染対策が必要です。
視診である程度わかりますが、確認するためにノドを綿棒でこすり迅速検査を行います。ウイルスなので抗生剤は無効であるばかりか、抗生剤を内服すると胃腸炎が悪化してしまいます。対症療法を行いながら、安静・食事療法を行います。
コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによる病気です。発熱、口内炎が初期症状ですが胃腸を主な感染場所となるため胃腸炎を起こしてきます。口内炎が口蓋垂(のどちんこ)の両脇に左右対称にできるのが特徴です。
視診だけで診断されます。検査はありません。ウイルスなので抗生剤は無効であるばかりか、抗生剤を内服すると胃腸炎が悪化してしまいます。対症療法を行いながら、安静・食事療法を行います。
コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによる病気です。発熱、口内炎、手足の発疹が初期症状ですが胃腸を主な感染場所となるため胃腸炎を起こしてきます。口中に口内炎ができる事もあります。近年は、発疹が手足のみならずお腹や胸にもでる場合が増えてきているため、水疱瘡と間違いやすくなってきております。
視診だけで診断されます。検査はありません。ウイルスなので抗生剤は無効であるばかりか、抗生剤を内服すると胃腸炎が悪化してしまいます。対症療法を行いながら、安静・食事療法を行います。
ムンプスウイルスによる病気です。発熱と唾液腺の腫れが主な症状です。両側の耳下腺、顎下腺が腫れるためオタフクのような顔になるためおたふく風邪と呼ばれます。悪化するとムンプス難聴や無菌性髄膜炎をおこします。ムンプス難聴は片側のひどい難聴になることが多く、治療しても治らないことが多いです。
視診で診断しますが、血液検査で抗体を確認を行います。抗体の結果が出るのは1週間後になります。ウイルス感染のため対症療法のみとなります。予防として、予防接種がありますが、任意接種となっています。
カンジダというカビ(真菌)が口に感染する病気です。口の中に白いカスが付き、拭いてもとれません。痛みはありませんが、違和感から食欲が落ちることがあります。哺乳瓶の乳首やおしゃぶりの消毒不足でおこることが多いですが、洗濯機やお風呂場など水回りを舐めて感染する子もいます。
視診でほとんどわかりますが、白い部分を綿棒で拭って菌の検査を行い確認します。検査結果は2週間ほどかかります。イソジンなどの口に使える消毒薬で口のお掃除を行えば治りますが、治りにくい場合は抗真菌薬という薬を1週間ほど使用します。また、予防のために哺乳瓶の乳首やおしゃぶりの消毒を行い、水回りを舐めてしまわないよに注意を払っていただきます。
細菌やウイルスが鼻やノドに留まらず、気管支まで入り込んで炎症を起こす病気です。咳がひどくなり、一部では発熱がみられることがあります。気管支炎がさらに悪化すると肺炎になります。また、気管支炎をよく起こすお子さんは喘息にも注意が必要です。
ウイルス性であれば対症療法のみで、細菌性の場合は抗生剤を使用します。気管支を広げるお薬が咳をやわらげてくれます。
アレルギーにより気管支で炎症を起こし咳や呼吸苦がでます。治療が不十分なまま経過すると気管支の細胞が変性しどんどん薬が効かなくなっていきます。夜間や運動時に発作が出やすく、男の子では運動量の低下から体力低下にもつながります。風邪や台風、乾いた空気、冷たい空気などが引き金となって発作を起こします。
大人では呼吸機能検査を行いますが、小児は検査ができないため、咳が長引くことで判断します。そのため診断にいたるまでは継続的に通院が必要です。重症の発作を起こした場合は日中にも異常な呼吸音が聞かれるため聴診器ですぐに診断できます。アレルギー素因を減らすために血液検査でアレルゲンを確認します。治療は、抗ロイコトリエン薬(モンテルカスト、プランルカスト)の内服やステロイド吸入薬、気管支拡張薬などを長期間使用しますが、年齢により治療薬の優先順位が変わります。風邪予防やアレルゲンの回避も大事な治療になります。
メヤニ、目のかゆみ、眼のごろごろ感、充血、涙目などがおこります。スギ花粉やホコリによるアレルギー性のもの、細菌感染やウイルス感染によるものなどがあります。
下まぶたの裏を見て判断します。鼻やのどの診察と併せて診ることで、診断の精度があがります。
アレルギー性であれば抗ヒスタミン点眼やステロイド点眼を使用します。細菌感染であれば抗生剤の点眼を使用します。ウイルス感染(プール熱など)であれば対症療法(かゆいなら抗ヒスタミン点眼など)になります。
病的なものとしてはアトピー性皮膚炎(保湿のための皮膚たんぱく質不足の遺伝性疾患)がありますが、アトピー性皮膚炎がない場合でもスキンケアが間違っていると乾燥肌になります。日本人はきれい好き過ぎてお肌を洗いすぎる傾向にありますので、現代日本の習慣により乾燥肌が人工的に作られてしまっています。乾燥肌が継続すると、アレルギー疾患が30%増加すると言われており、現代病であるアレルギー性疾患の予防のためにも正しいスキンケアが必要となります。
視診のみで診断されます。体の洗い過ぎに気を付けていただき、保湿の指導や処方をさせていただきます。また、耳では外耳道湿疹という病名になりますが、耳掃除のし過ぎが耳の乾燥肌の原因となりますので、耳掃除についてご指導させていただきます。かゆみが強い場合は、かゆみ止めを使用し、掻かないようにすることも大事な治療になります。
特定の食べ物を食べることでアレルギー症状がでる病気です。アナフィラキシーショックや蕁麻疹が有名ですが、唇の腫れ、口のかゆみ、逆流性食道炎(胸やけ、嘔吐)、下痢など多彩な症状で出ることがあります。ごく軽いアレルギーであれば食べなくなることでさらに悪化することがわかっていますが、それが誤解を呼び、軽くない食物アレルギーでも食べさせようとすることでむしろ重篤にさせてしまうケースもうかがいます。 また、消化不良によりアレルギーを起こりやすくなるため、乳幼児、胃腸炎などの時、運動時などで症状が出やすいです。お腹の調子や運動により起こる方は、普段は症状が出ないため食物アレルギーに気づきにくい場合があります。
どの食物を食べたときに症状が出ているか、そして、血液検査により診断します。症状がはっきり出る場合や血液検査の反応が強い場合は、食事から除去します。間違って食べてしまった場合に備え、アレルギーの内服薬やアドレナリンの注射剤を処方し、携帯していただく場合があります。症状が出ず、血液検査の反応も弱い場合は、食物アレルギーを専門とする医師の監視下に経口負荷試験を行い、少しずつ毎日食べてもらうことで体を慣らしていきます。加減を間違えると危険な治療方法なので必ず食物アレルギーを専門とする医師の指導の下で行います。
アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、喘息、食物アレルギーの対応について学校向けに提出する診断書になります。保育園、幼稚園でも流用して利用されることがあります。
自閉症スペクトラム、注意欠陥多動性障害、学習障害などの総称です。その特性の診断自体は児童精神科(小児科)で行われます。この中で自閉症スペクトラムがある場合に、耳鼻咽喉科外来になじめないことがあります。頭を触られるのが苦手なために耳鼻科外来で抑えられるだけで大暴れ。目に見えないものが苦手なために耳を診ようとするだけで大暴れ。大きな音が苦手なために耳掃除用掃除機の音で大暴れ。そこで耳鼻咽喉科の診察処置を断念してしまうことで、自閉症スペクトラムの人は、知らないこと、いつもと違うことなどが苦手なためにいつまでも耳鼻咽喉科外来になじめずにいつまでも大暴れ。耳鼻咽喉科疾患を放置する結果となってしまいます。
なぜ放置するといけないのか?例えば、耳垢栓塞や中耳炎により軽度難聴になりますが、軽度難聴児は言葉のコミュニケーションがおっくうになっていくために一人遊びが増える傾向にあります。つまり自閉症スペクトラムの症状と重なります。アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、アデノイド増殖などでは熟睡できないため、脳の発達は遅くなりますし、日中の集中力低下・学力低下、落ち着きのなさ、イライラなどがおこります。つまり、自閉症スペクトラムや注意欠陥多動性障害と重なります。耳鼻咽喉科疾患を放置することになれば、その子の症状が過剰に見えるために発達障がいの評価を誤ってしまいます。また、せっかく持っている能力を伸ばせずに終わってしまいます。
年齢や発達特性によって対応の仕方は変われば、なじめるまでの道のりも違いますが、うまく誘導してあげることで、あわよくば幼児でも一人で座って耳鼻咽喉科の診察・処置を受けれるようになる場合があります。誘導が難しい場合でも、恐怖心を最小限にすることを優先し、繰り返し同じ流れで診察・処置を行っていくことでなじんでくれる場合もあります。
急性疾患の場合は、慣れさせるための練習をしている余裕はないため、通常通り抑え込んで診察せざるをえませんが、お子さんが大暴れすることを前提に拝見しますので、暴れてしまうこと自体に親御さんが気を遣う必要はありません。
お医者さん、スタッフだけでなく親御さんにも根気強くお付き合いいただく必要がございますが、耳鼻咽喉科で苦い思い出のあるお子さんでも気軽に受診していただければと思います。また、通院回数や期間が多くかけられるほどお子さんになじんでもらいやすいので、体調が悪くなってからではなく、日常的に耳掃除程度から気軽に通ってみてください。なお、お子さんのリアクションを見ながら対応方法を加減していきますので、児童精神科(小児科)で診断がついている必要はございません。
おしあげ耳鼻咽喉科では、患者様と同じ目線に立った温かい医療を行い、
地域の患者様に、安全で負担の少ない医療サービスの提供を目指します。
耳・鼻・のどの耳鼻咽喉科疾患や、風邪・インフルエンザ等の症状でお困りの方は、一度当クリニックまでご相談ください。
スタッフ共々一丸となって"こころの通う"診療で対応いたします。
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